「応援を力に変えて」 原(大島高)8位入賞 陸上・少年男子競歩

2023年10月16日

スポーツ

陸上・少年男子共通5000㍍競歩で8位入賞を果たした原勇輔選手(大島高3年)=15日、鹿児島市の白波スタジアム

特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」の陸上競技は15日、鹿児島市の白波スタジアムであり、少年男子共通5000メートル競歩に出場した大島高校3年の原勇輔選手=東城中出身=が、自己ベストを20秒更新する21分10秒25で悲願の8位入賞を果たした。

 

高校最後のインターハイは10位と悔しい結果だった原選手。予選で右ハムストリングの肉離れを起こし、8月いっぱいは練習ができなかったという。

 

「どうすれば国体で入賞できるのか」。自分と向き合い、基本的な生活面から見直した。「進学校なので勉強もしながら、ゲームも漫画も趣味の時間を大幅に減らして、その時間を全部、国体で勝つための練習に費やした」という。

 

9月から徐々に調子を上げ、臨んだ本番。「不安や緊張もあったが、高校最後の5000メートルウオークなので、楽しんで歩こうと決めていた」

 

レースは早々に飛び出した先頭の選手らと距離は開いたが、4~6位付近をキープ。3000メートル辺りで後ろから来た集団に飲み込まれたが、粘り強く歩を進めた。

 

「こんなところで負けられないと、残り2000メートルは応援を力に変えてがむしゃらに突き進んだ」。最後は南九州大会、インターハイと敗れていた因縁のライバル楠岡史朗選手(熊本・慶誠高)を振り切って8位でゴールした。

 

原選手は元長距離専門。記録が伸び悩み、一時は陸上をやめることも考えたが、当房晶広顧問の勧めで競歩に転向した経緯がある。

 

当房顧問は「決して順調ではなかったが、本人の努力と家族らの協力が全国大会での初入賞につながったと思う。過去最高の、気持ちのこもったレースだった」と目頭を熱くした。

 

原選手は「去年の県総体で3位入賞してからずっと変わらないのが、支えてくださる皆さんへの感謝の気持ち。国体での入賞、そして大幅な自己新記録更新。本当に皆さんの応援のおかげです」と充実した表情で語った。